男性は育児休業中の生活をどう過ごすか
問
男性は育児休業を取ってる間、何したらいいの?
結論
- やるやらないは別として、やれるスキルは持っているべき。自立せよ。
- 男性も授乳以外は何でも出来る。向き不向きは個人の問題で性別の問題ではない。
- モチベーション維持は重要。外に出ると異常に褒められるので出かけよう。
説明
やるやらないは別として、やれるスキルは持っているべき。自立せよ。
各家庭での役割や過ごし方は、取得する育児休業の期間、子どもの人数/年齢、配偶者が働いているか、祖父母は近所に居るか、保育園に通っているか等、様々な環境に依って全く異なる生活になります。
そこは女性と同じです。
この中だと、育児休業の期間は、現代において男女で平均取得期間が大きく異なるため、取り上げてみます。
女性は多くの場合、6か月や1年など、中長期であるパターンが多く、産後、最低でも2カ月は休んでいるはずです。
対して、男性の場合、休んだ人の平均取得期間は2週間程度らしいので、女性には無い、短期パターンであることが多いです。
短期育児休業の場合、やるべきことは、とにかくスキルを身に付けることです。
ゴールは1人で子どもを育てられる状態になることです。
メンタル面を除いて、死別しても生活が続けられることを考えてください。縁起でも無いことですが、冗談ではないです。
死ななかったとしても、産後に女性が、めちゃめちゃ体調が悪くなるケースは結構現実的な確率で起こります。
1人で子どもを育てられないということは、1人で生活出来ないということです。
つまり自立していないということです。
たとえ1人暮らし経験が長く、それまでは自立していたとしても、子どもが産まれたことで自立していない状態に一度戻っていると言うのが正しく伝わる気がします。
誰しも、1度自立したのに戻るとは考えにくいと思いますが、客観的に見れば自立していない人です。
ここで誤解して欲しくないのは、スキルが必要なだけであって、実際に長期間1人で生活を回せと言っているわけではないということです。
スキルがあるけどやらない状態と、スキルが無いからやれない状態では、どちらも何もしていませんが価値が違います。
例えばオムツを変えられるスキルを持っていると、オムツを変えるという育児の価値を正しく評価出来ます。
やってないこと、やれないことを人間は正しく評価出来ません。
これは、家事育児が出来ない人は、一般的に女性が家で行っていることを、正しく評価出来ていない可能性があるということです。
もちろん、出来ない分、感謝しているという人は居るでしょうが、残念ながら、それが正しい評価とは限らないのです。
きっと、感謝されている側は思っているはずです。
本当はオムツ変えじゃなくて、料理をもっと評価して欲しい、などと。
ただ感謝すれば良いわけではないのです。実施している方は、前提として正しく評価されたいのです。
初めのうちは感謝されるだけで嬉しいのですが、人間、感謝され慣れてくると、本当に感謝されているのか、感謝の強弱が気になり始めます。
より正しく評価するプロセスを踏んで、その結果として感謝されていると感じれば、より嬉しいのです。
1人暮らしを始めた時、家族の人の支えがどんなに大きかったか実感した人も多いでしょう。
それは自分でやってみたからです。育児も同じなのです。
1人暮らしを経験せずに同棲、結婚した人は本当に気を付けてください。
男性も授乳以外は何でも出来る。向き不向きは個人の問題で性別の問題ではない。
身に付けるべき項目は、全ての家事育児、
身についたかどうかの判断基準は、1人でその作業を完遂出来るかです。
オムツ、着替え、食事/ミルク、遊ぶ、あやす、寝かす等の定常系の育児スキルは当然として、ゲロ処理、漏れた服処理等のアクシデント系も必須です。
良く、ママじゃないと泣き止まないね、みたいなことを言う人が居ますが、事実としてそうだとしても、本質的にそうだとは一言も言っていません。
子どもとの信頼関係とスキルの問題です。ママの方がたくさん練習してるだけです。向き不向きは関係ないです。
料理、片付け、部屋掃除、洗濯、風呂掃除、ゴミ分別/出し、備蓄管理等、直接育児をするわけではないが、育児と並行して行うべき家事スキルも必須です。
まず出来ることから始めよう、という話があります。
これ自体を否定はしません。むしろ、肯定的です。
人間、成功体験は次のモチベーションに繋がりますし、初めからハードルを上げ過ぎないのは重要です。
ただし、十分のラインを引き下げろとは言っていません。
目標は高くないと意味がありません。目指すのは全項目制覇です。
ただし、作業を完遂出来るレベル、はそれほど高く設定する必要はありません。
高級店のような料理を作れる必要はありません、家庭料理、もっと言えば、大人・子どもがそれなりにお腹を満たせれば十分です。
家族が納得できるレベルを探ってください。
また、スキルの無い人間はサブメンバーとしても機能しません。
育児の場合、大きな失敗は取り返しがつきませんし、子どもを愛しているので、信頼できない人には任せられないし、特に女性は自分が子育てに責任を負っている意識が極めて強いので、心理ハードルが高いです。
結局、自分と同じかそれ以上くらいに育児スキルがあると認識してもらわないと、そもそも育児をさせてもらうことすら出来ない可能性すらあります。
これは、女性側も勇気をもって任せる必要があるとも言われるかもしれませんが、女性の責任感を引き下げるより男性が育児スキルを身に付ける方が、生産的だし、簡単だし、より良い方法であると思います。
厳しいようですが、言い訳すると信頼を更に失うので、黙って腹くくって家事育児スキルを身に付けてください。
モチベーション維持は重要。外に出ると異常に褒められるので出かけよう。
これは男性の方が育児について有利な数少ない要素ですが、男性が1人で子どもを連れて歩いていると、死ぬほど褒められます。
例えば、平日の昼間に乳児の子連れで買い物に行きます。
生活をしているので極めて当たり前の活動です。
しかし、スーパーで見知らぬ人に話しかけられます。
大体はお年寄りの方、特におばあ様達ですが、子どもの可愛さもあって、あんた偉いなと言われます。
きっと、自分の過去の苦労が思い出されるのでしょう。
道を歩いていて、知らない人に話しかけられること自体、私にとっては無かったことですし、ましてやベタ褒めされるようなこともありませんでした。
平日昼間に開催される、自治体などが主催の子育て支援系のイベントに行ったり、子育て支援施設のような所で子どもを遊ばせてみたりします。
そこには数名のママとその子供達、女性スタッフが居ます。そう、大人は全員女性です。
すると、男性は珍しがられると同時に、育休ですと言うだけで、褒められます。
更に私の場合は長期間の育休、1人で子どもを見ているということもあり大絶賛の嵐、お前のような奴は見たことない、空想上の生き物だと思った、等と、今まで言われたことのないような言葉を浴びれます。
平日昼間のファミレスで、店員さんがドリンクバーを汲んで持ってきてくれようとしたこともありました。
上記は私の実体験のごく一部です。
私はこれまで、スポーツや受験、受験など、それなりには頑張ったかと思いますが、それなりに苦労し、それなりに褒められたという感じでした。
一方、育児休業については、取ると決めた以上は仕事は休んでいて何もしていませんし、家でやっていることは世のママ達と大きく変わらない、むしろ楽をしているくらいにも関わらず、死ぬほど褒められるのです。
今までの人生は何だったのかと感じる程、コスパ良く評価されるのです。これは衝撃的でした。
インドに人生を探しに行くより、抜本的に価値観変わると思います。
とはいえ、人間、褒められるとモチベーションが上がります。承認欲求も満たされます。
そのためには、家族も重要ですが、他人に褒められることも効果が絶大です。
家で持て余している夫が居る方は、夫を外へ連れ出し、1人で出かけてさせるのも良いと思います。