パパコンサル~私はイクメンではない~

コンサルタントが育児休業に取り組んで直面した現実と、皆に伝えたいこと。

育休を取らなかった男性はどう家庭に貢献するか

育児休業を取らなかった男性はどう家庭に貢献するか

結論

  • 当たり前だが人それぞれ最適解は異なる。最終的には自分で考えよ。
  • 「家に居る」の意味をはき違えない。家に居る人間の存在は基本邪魔であるという出発点を理解する。
  • とにかく日々コミュニケーションの中から解決のヒントを得て、地雷を踏まないように細心の注意を払うしかない
  • 揉める原因を突き詰めると、ほぼ全て「情報の差」と「金」しかない
  • 場合によっては、残念だが育児してる側からの発信・マネジメントも有効

背景

SNS上では、

「男性に育児は出来ない」

「男性が育休取っても役に立たない」

「っていうか家に居るだけ邪魔」

という声が後を絶ちません。これについて賛否両論出ているのも良く見ます。

本当に男性が育児に不向きなのか、という一般的な真偽について、ここでは議論しません。科学者達に任せましょう。

 

私達は、今、目の前の現実である「周囲の男性が育児面で役に立たない」という課題に対して、主に男性、時には女性がどう考え、対応、改善するかに注目しなければなりません。

自分と自分の周りに居る人間で子育てをしなければならないのなら、その中でどうするかを考えなければ、どうせ何も改善しないのです。もちろん、切り捨てて環境を再構築するのも1つの解決策です。

仮に、男性の育児向き不向きが科学的に証明されたとしても、ちょっと納得感が出たり、逆に不満が出たりするだけで、個人レベルの実生活には何も影響ありません。

 

私は1人目の時、育休を取らず、2人目の時は妻が早期に復職して1人育休を取っています。

すなわち、大人1人育休(私は取ってない)、大人2人育休、大人1人育休(私は取った)の3パターンを経験しました。

 

今回は、私の思う、改善の基本になり得る考え方について書きます。

もちろん参考になる箇所は人によって違うので、どれかが役に立って、1つでも多くの家庭が幸せに向かって一歩前進出来たら良いなと思います。

 

説明

当たり前だが人それぞれ最適解は異なる。最終的には自分で考えよ。

下記記事にもある通り、家庭環境や職場環境によって家庭の最適解は異なります。 

papa-consulting.hatenablog.com

 

他人のやり方をそっくり真似しても大した意味はありません。残念、楽は出来ません。

人の意見や、他の家庭の状況を知ることに意味が無いわけではありませんが、情報過多の時代、情報をどう使うか、どう考えるかが重要で、そこまでやらなければ人間がやる意味が無いです。

指示に従うだけ、新たな解釈や価値を生まない人間は、残念ですが市場価値は低いです。

 

これが出来なければ、仕事も出来ないということです。

逆に、これが出来れば仕事にも活きるということです。

課題解決は仕事の基本です。

 

良い経験を出来る機会、しかも上手くいけばプライベートが充実するという、こんな直接的なメリットがあるなんて、仕事ではほぼ無いチャンスです。

 一番良いのは両立ですが、どちらか一方優先するなら、仕事より優先したとしてでも、真剣に取り組む価値のある課題だと私は思います。 

 


「家に居る」の意味をはき違えない。家に居る人間の存在は基本邪魔であるという出発点を理解する。

これは本当に誤解が多いと常々思っているので、1つのトピックとして切り出しました。

 

働いていない側は、家で働いている大人を邪魔だと思っています。本当です。

「邪魔だけど、料理をしてくれる」

「邪魔だけど、掃除をしてくれる」

「邪魔だけど、一時的に子どもを預けて子ども無しで買い物に1人で行ける」

となって、初めて助かるのです。

だから、後半部分の役に立つ部分が無いと、「ただ邪魔」なんです。

これが熟年離婚や役立たず男性育休の正体の1つだと思っています。

 

まず、「家事育児をしている人から見て、何もしない(仕事している状態)の大人は役に立たない」ことを説明します。

続いて、「家事育児をしている人から見て、何もしない(仕事している状態)の大人は居るだけでも邪魔」であることを説明します。

2色展開で記載します。 

 

特にWithコロナ生活の中で、意図せず在宅勤務になった人も多いと思います。

すると、「子どもに何かあるかもしれないし、自分が家に居る方が少しは良いだろう」という考えを、誰しも1度は通ると思います。

確かに、子どもが具合が悪くなったりしたら、選択肢が多いので良い、という点では嘘ではないと思います。

 

しかし、これは働いている人の考えです。働いていない側の考えとはズレがあります。

 

 働いていない側は、「子どもに何かあった時、もう1人家に居る方が良い」とは思っても、

同時に、「実際、何かある時って、ほぼ無い」し、「実際に何かあっても自分1人で対応する」しな、と思っています。

 

子どもにご飯を作る、食べさせる、オムツを替える、寝かしつける、あやす、等、

日常的に発生するタスクをやるなら、話は別です。大助かりです。

こういう「数十分~1時間くらい何かを頼みたい」ということは本当にたくさんあります。買い物に子ども無しの1人で行けるのも超助かります。

 

でも、「部屋で働いている大人を強制的に即呼び出して対応しなければならない程のこと」って、実際には起こりません。

たとえ、子どもが転んでケガしてしまっても、大人1人が冷静なら事足ります。

そもそも、大人1人しか家に居なくても何とかなるように、生活を設計済みのはずなんです。

だから、働いている大人が家に居ても、何の保険になっているかも良く分からない程度の安心感しかなく、

実際には呼び出しても、スキルが無ければお願い出来ることは無いし、

働いていない側が、働いている人に何か頼むこと自体にも心理ハードルがあるので、

結局、働いていない側は何も頼まないし、やらせようとも思わないので、役に立たないです。

 

さて、ここまでで、

「家事育児をしている人から見て、何もしない(仕事している状態)の大人は役に立たない」ことを説明しました。

 

ここからは、「家事育児をしている人から見て、何もしない(仕事している状態)の大人は居るだけでも邪魔」であることを説明します。

 

知らないかもしれませんが、家で1人で家事育児をしている人は、ある意味好きなように家を楽しんでいるのです。そうじゃなきゃ、やってられんのです。

例えば、子どもが1人で順調に遊んでいる間や、昼寝している間、自分も昼寝したり、気の向いた時間に出かけたり、好きな時間に好きなものを食べたり、シャワーを浴びてみたり、読書してみたり、録画したドラマや、サブスクで映画を見たりしているのです。

 

ここだけ切り取ると楽して楽しい生活に見えますが、これ以外の時間は子どもと格闘していますし、子どもが静かな時間も、献立を考えたり(1)、料理をしたり、献立を考えたり(2)、お金のやりくりを考えたり、献立を考えたり(3)しているのです。

普通にしんどいので、好きな時に息抜き出来ないとバランスが取れないのです。

そうやって心身のバランスを保つことで、正気を保っているのです。自己防衛の1種です。

 

さて、これが家にもう1人、働いている大人が居る場合何が起こるのでしょうか?

上記の生活に加えて「気を使う」が発生します。これが本当に痛い。

 

普段なら、子どもが泣いても家に誰も居なければ最速であやしたりしないのです。子どもに何故泣いているのか話を聞いてみたり、説得してみたり、料理中なら手が離せないから、ちょっと放っておいてみたりしているのです。勿論、虐待の範囲ではありません。

 

でも、隣の部屋に働いている大人がいると、どうでしょう。

「うるさいと思われないか」「お金を稼いでいるのに申し訳ない」「ちゃんと育児していないと思われたら癪だな」とか思います。

すると、他の事に優先して子どもをあやさなければならないという強迫観念に襲われます。結局、いつもよりも子どもの相手に時間を費やす結果となり、他の家事育児や進まず、休むことも出来ず、負荷が増えます。

 

この話題では「気にしなければ良くない?」という意見が必ず出ます。それは正解です。

しかし、実際に無視出来るのか?というと、やっぱり多かれ少なかれ気にはなるのです。

自分が働いていないという負い目、家事育児は自分の責任範囲というプライド、他者にうるさく言われたくないという危機回避等、人に依って理由は様々ですが、検討事項とタスクが増えるのです。

 

また、大人1人のご飯と、大人2名以上のご飯ではタスクとして別物です。

献立考えるのも、料理するのも、皿を準備するのも、違うんです。決してついでに2人分じゃないんです。

1人なら、疲れたからカップ麺、ジャンキーなものが食べたいからファストフード、とかやれるんです。でも2人じゃやれないんです。ちゃんとしてる人と思われたいですし、せっかくだから働いている大人には、ちゃんとした物食べてもらいたいと思ったりしています。だから疲れます。

 

他にも、気軽に昼寝出来ない(気がする)、掃除機等の大きな音を立ててはいけない(気がする)等、挙げればキリがないのですが、これらのチリが積もって大きなストレスとなります。

 

この温度差は大きいです。確実に揉めます。揉めて無ければ、我慢しているだけです。何も気にせず家で働いている大人が多すぎます。

だから、「家事育児をしている人から見て、何もしない(仕事している状態)の大人は居るだけでも邪魔」なんです。

 

Withコロナという背景が無かったとしても、気軽に「出社しなくていいなら在宅がいいよね」とか口走ってはいけないのです。それを口にしていい権利は、働いていて家事育児をしない大人には無いのです。家賃やローンを負担しているとしても、日中の時間は、家事育児をしている側からすれば部外者です。悔しいかもしれませんが、わきまえてください。

 

 

 


とにかく日々コミュニケーションの中から解決のヒントを得て、地雷を踏まないように細心の注意を払うしかない。

上記の在宅勤務ような温度差があると、家庭内で揉めます。ただ、これは人に依って重視している箇所が全く異なるし、我慢できること/できないこと、得意不得意、向き不向き等に依ってバランスの取り方、幸せの形は人それぞれです。

だから、とにかく相手を知ることしか課題予防/解決の道は無く、それは日々のコミュニケーションを通じてでしか得られないのです。

そして、地雷を踏まない、これに注力するしかないです。

 

パートナーとはいえ、他者は他者。価値観は違います。完全に合わせる必要は無く、むしろ少し差があるくらいの方が、上手くいくケースも多いと思います。

完全子育て、完全仕事の、古き良き時代の夫婦分業制が一番分かり易い例だと思います。お互いの役割をはっきり分け、得意不得意、社会の需要に乗っ取った理想の生活の1つだと思います。

最近は女性活躍が少しだけ進み、稼げる女性が増え始めたことや、社会の空気が変わり始めたとはいえ、別に両者が納得していてストレス少ないなら、完全分業でも全く問題ありません。バリキャリ女性&専業主夫でも良いです。これならむしろ現代風ですね。

 


揉める原因を突き詰めると、ほぼ全て「情報の差」と「金」しかない

さて、どうして家庭内の揉め事が起こるのでしょうか。それは基本的に「情報の差」のせいです。

まさか育児にそんなに疲れていると思っていなかった、献立を考えるのがそんなに大変だと思わなかった、家に居るだけでそんなに迷惑をかけていると思っていなかった、等、全て勘違いや重要度の読み違えです。

ただ、他者がどう思っているのかを正確に把握するのは困難です。やってみるのが早いのですが、得意不得意があるので、自分はどうとも思っていないことを、相手は辛いと思っていたりもします。

この差を埋められないと、揉める確率は上がります。やり合うのも疲れるので我慢することも増えます。

 

ただ、情報の差が無かったとしても、揉める場合があります。それは「金」です。

金が絡むと人間は正しい判断が出来なかったり、金が無ければ分かっていても取りたい選択肢が取れないからです。

「家事代行にいくら払えるのか」「教育費にいくら払えるのか」等は良くSNSで揉めてますね。これは家事に関する情報の差もありますが、金は人を狂わせる強力なパワーを秘めているので、金が絡むと話は途端に複雑になります。SNS上のやり取り永遠に続くと思います。

 

金は幸せの十分条件ではありませんが、前提として最低限必要なものです。シビアですが、受け入れるしかありません。

可能なら、必死でお金を稼ぐことで全て上手くいく可能性すらあります。金の力は侮れません。

 


場合によっては残念だが、育児してる側からの発信・マネジメントも必要

さて、問題解決には「情報の差」と「金」へのアプローチが必要だということを説明しました。

では、実際にはどんなアクションが必要なのでしょうか。

 

当たり前ですが、一瞬にして課題は解決しません。残念。

人に依っては、初めから自然と課題解決が出来る、コミュニケーションが取れます。こういう人なら既に問題はあまり起こっていない、随時対処しているはずです。

課題解決の方向に進んでいる実感が無いのなら、それはきっと進んでいません。そのまま放置して自然と解決する可能性は低いです。むしろ膨らむでしょう。

この状況を直接的に打破する最初のアクションが必要です。

パートナーとこのブログを共有して、一度話してみるとかだけでも解決方向に進み始めるかもしれませんが、それでも進まないことがほとんどでしょう。

その場合は、残念ですが、家事育児の主担当側からの積極的な発信・マネジメントが有効かなと思います。

簡単なアクションで話が進まないケースの場合、恐らく「両者の課題の重要度認識」に差があるんじゃないかと思います。情報の差の1つですね。

この場合は、課題認識の無い方しか何もしなくて進まないという状況に陥りがちです。そうなると、ある程度強制力を持ってこの人を動かさねばなりません。

どんな課題も、最初から全員が自走して解決するなんて理想的なことにはなりません。課題解決を専門と謳っているコンサルタントだって仕事でもそんなことありません。誰かが初めのレールを引いたりするのが鉄板のセオリーです。

気負わずに、少しずつ発信・マネジメントをスタートすると良いと思います。家庭内課題解決に関わる人が全員自走し軌道に乗ったら、後は余計なアクションが無くても自然と話し合い、課題解決の方向に進むようになるはずです。

 

何で家事育児で手一杯なのにそんなことまでしなけりゃならんのだ!という人が居ます。おっしゃること、ごもっともでございます。

しかし、大変申し訳ないのですが、貴方の課題を、他者が解決してくれるなんてこと起こり得ないのです。お金も貰えないのにやってくれる人が現れたとしたら奇跡です。

向き合うしかないのです、目の前の現実と。億劫な気持ちをぐっとこらえて小さな一歩を踏み出すことで、意外と軌道に乗るかもしれません。勿論、軌道に乗るまで貴方が耐えらえないかもしれません。その時は離婚してください。きっとその方が皆幸せです。子どもにはこの人が親として必要なんだ、と思うなら替えは利きません、腹くくって頑張りましょう。もし経済的な理由で離婚出来ないなら、自分の経済力の無さを呪ってください。

炎上覚悟、強者の理論ですが、「弱者に未来はありません」自分自身が強者に近づくしか道はないのです。

それでも無理なら、実家でも、生活保護でも何でも頼りましょう。「守られるべきは罪のない子どもと、貴方の命」です。

 

と言いつつ、大抵の場合、覚悟を伴った行動で打破できない状況なんて、そう多くないと思います。皆、そうやって生きています。離婚を切り出したら夫が急に心入れ替えたなんて話も稀にあります。どこかで皆が頑張っているのです。腰が重いだけです。それだけですが、それが大きいという話です。この1点のみ突破すれば未来があります。子どものためと思って頑張りましょう。

男性が子育て支援施設へ行くと何が起こるか

前提

自治体等が運営している子育て支援施設が私の住む地域にはあります。

 

自治会館的な施設の部屋等を会場として、保健師さんと呼ばれるスタッフが常駐し、子連れの親が訪れます。

子ども同士や、スタッフに一緒に遊んでもらったり、親の子育て相談をすることもできます。

 

うちの周りでは、各施設で主に平日の昼間、週1,2回、2~3時間程で開催されていて、施設間で開催日時が被らないように設定することで、ちょっと足の伸ばせば1,2日に1箇所くらいはどこかで開催しているような状態です。

 

子どもの遊び場として日中は常時開放しているような施設もありますし、月に1度くらいは土日開催している施設もあり、パパ向けと銘打ったイベントもあります。

恐らく、地域の子育て支援体制としては恵まれている方なのかと思います。

 

基本的に平日の昼間がほとんどのため、予想通り、女性しかいません。保健師のスタッフさんも女性しかいません。

この女子大のような施設に男性が行くと、不思議なことが色々起こります。

私の実体験を紹介しますので、興味があれば、周辺施設を調べ、行ってみてください。

単純に、男性でも子守りの時間の過ごし方としても有用です。

※コロナ禍において閉鎖している場合も多いのですが。。。

 

エピソード1:質問とみせかけて愚痴ってくる女性

大抵の場合、平日の昼間に子育て支援施設に行くと、男性は1人もおらず、目立ちます。

1人ぼっちでいると怪しい人だと思われる可能性がありますので、それなりに会話の輪に入ろうとします。

すると、必ず育休の話をしなければ、不審者でない事の説明がつかないので、説明します。

ミルク、オムツ、夜泣き、妻の復職、職場の業務調整等、その後の話の展開は多岐に渡りますが、

「そんなのうちでは考えられない。どうしてそんなにやれるんですか?」ここまではOK。普通に話をします。

「それに比べてうちの旦那は。。。」ここからはOUT。

「まぁまぁ」「そうですね」「大変ですね」「それぞれですもんね」を適当に繰り返して音として発するだけの人に私はなります。

 

旦那に不満があるのは良く分かるのですが、正直、私はその辺の旦那とは根本から違うので、違う生き物くらいに思っておいた方が良いと思っています。

なまじ目の前に、想定外に育児をする男性が現れてしまったので、自分の旦那と比較をしてしまったのです。

 

ぶっちゃけ、旦那の人間性について相談されたとしても、良いアドバイスは出来ないです。

向こうも相談して解決を求めているのではなく、愚痴モードに突入しているので、特に進展はありません。

不満だけが膨らむ様子を眺めることになります。

この後、家に帰ったら旦那の評価が更に下がるのかと思うと、申し訳ない気持ちになります。

 

女性の皆さん、他人と自分の夫を比べるのは止めましょう。

男性の皆さん、妻からはそう思われてますよ。

 

エピソード2:アイスをくれるお婆さん

子育て支援施設ではありませんが、ある日、6カ月未満の子どもを連れて、スーパーに買い物に行きました。

抱っこ紐に子どもを入れて、いつも通り、買い物をしました。

スーパーですから、会計後、台でせっせと袋詰めをしていると、隣のお婆さんが話かけてきました。

お婆さん「あら、カワイイわね」

私「ありがとうございます。」

お婆さん「どのくらい?」

私「半年くらいですかね」

お婆さん「女の子かしら?」

私「はい、そうです。」

お婆さん「カワイイわね」

私「ありがとうございます。」

お婆さん「これ、食べて」

私「え?」

お婆さんの手には、バニラモナカジャンボ。

お婆さん「いいのよ、これどうぞ」

私「子どもは食べられませんが、、、ありがとうございます。」

お婆さん「今日はいい日だわ」

私「ありがとうございます。」

 

どういうわけか分かりませんが、買ったばかりのバニラモナカジャンボをいただきました。

国際犯罪集団のプロの工作員なら、きっと毒が盛られているのでしょうが、どう見ても買ったばかりなので、美味しくいただきました。

自分が子どもの時でも、そんなこと起こらなかったのに、得してるなと思いました。

 

エピソード3:目の前の現実を受け入れられない女性

ある日、常時開放している子ども用施設に、生後6か月程の子どもを連れて遊びに行きました。

フリーのおもちゃスペースには、同じような月齢の子連れママ数名が居ました。

私は慣れているので、そのお喋りに果敢に加わります。(大体向こうから話しかけられます)

 

こういうシチュエーションは、相手には珍しいのですが、こちらは何も珍しく無いです。

そして、質問攻めになります。しかも毎回同じようなテンプレです。

冒頭からの一例を紹介します。

 

女性「今日はお休みなんですか?」 

私「そうですね、育休中です」

女性「え、育休取ってるんですか。凄いですね。取りやすい会社なんですか?」

私「そうですね。比較的取りやすいかと思います。」

女性「どのくらい休まれるんですか?」

私「とりあえず、1年ですかね」※当時はまだ延長を決めていなかった

女性「え、そんなに取れるんですか?」

私「まぁ、別に女性とルールは同じなので、取れますよ。会社の特別な補助は何もないですし」

女性「そうなんですか、じゃあ奥さんは助かりますね。今は家でゆっくりされてるんですか?」

私「いや、最近復職したので働いてますよ」

女性「え?奥さん凄いですね」

私「はい、幸い産後のダメージもそんなに大きくなかったようで、しゅっと復職しました。」

女性「普段、子どもと2人なんですか?」

私「そうですね、保育園はまだなので、散歩したり、こういう施設に遊びに来たりしてます。」

女性「ミルクとか、おむつとかもですか?」

私「ええ、最近は離乳食始まったくらいなんで、ミルクと両方あって面倒ですよね」

女性「そっか、離乳食もあげられるんですね。ママ~ってなったりしないんですか?」

私「いや、ならないですね。そもそも居ないんで。」

女性「え、全然居ないんですか?」

私「えーっと、働いてるんで、居ないですよ。出社、してるんで。」

女性「本当に1人で見てるんですか?本当に?」

私「ん~、今まさに1人で見てますよね。今。」

女性「あ~、、、そうですね、、、」

 

どうしても、男性が1人で子どもを見ている現実が受け入れられないようでした。

目の前に居るのに、それすら疑うくらいのテンションでした。

多くの場合、初めて見ましたとか言われます。

架空の生き物だと思ってましたと言われた時は爆笑しましたが、どうやらそういう印象を持たれているようです。

 

実際、男性の育休取得は10%未満、平均取得期間2週間程度なので、長期間平日フルタイム子どもと2人ですという男性は、確かに超絶レアな存在ではあります。

私は普通の人間ですし、やってることも、その女性と同じ子育てですけどね。

こういうタイプの方は、夫に不満があるケースが多いような気がします。

上記のやりとりのあと、夫の不満をぶつけられるという、あるあるの展開でした。

 

男性が子どもが産まれる前にやっておくべきこと

男性が子どもが産まれる前にやっておくべきこと何ですか?

結論

  • 引越し
  • 保活
  • 仕事の調整
  • 家事スキル習得

説明

育児本を読むとか、子どもの名前を考えるとか、もちろん色々あるんですけども、ここでは、先に始めないと手遅れになりがちなことを優先して紹介します。

 

引越し

結婚を機に引越しをするとか、子どもが産まれたら手狭になるから引越しと言うケースは良くあると思います。

このタイミング住宅購入を検討する人も多いでしょう。我が家もそうでした。

 

実は子どもを育てることを考慮すると、これまでの家の選び方では出てこなかった様々な要素が出てきます。

子育て支援施設、行政の優遇制度、保育園、幼稚園、学区、習い事、塾、等々挙げればキリがありません。

当然、これに加えて従来の住宅選択の要素である間取り、立地等もあるわけですから、そもそも納得のいく物件はそうそう見つかりません。

すると、目の前に居ない子どもに関する条件の優先度を下げたい気持ちになります。

 

ところが、産まれてみると、子ども関連の要素への関心が異常に高まります。

特に後述する保活は、想定通りにいかない場合、ライフプラン、キャリアに絶大な影響が出る場合も多く、数多の女性が退職した話を聞いてきました。

 

単純に子どもが居る状態だと、引越し作業自体が辛いこともあります。

出来れば事前に余裕がある状態で、その後の生活が楽になるように引越ししておきたいものですが、

どうしても、目の前に居ない子どもを優先した検討をする自信が無い、もしくは家族に理解が無い場合は、子どもが産まれてから引越しをした方が、正しい選択に寄る可能性が高まるとは思いますが、

個人的にはあまりオススメは出来ません。

 

保活

私は保活をなめていました。

子どもを持つ自分が住みたい地域とは、大抵の場合、子どもを持つ皆が住みたい地域、すなわち子どもで溢れているのです。

私の住む地域は保活激戦区です。

どのくらい激戦区かというと、

「1人目の子どもであるという時点で既に認可保育園には入れません」

上の子が保育園に既に通っていると、下の子の優先度が高くなるようなルールが設けられているためです。

1人目を認可保育園に入れる工夫として、初めに認可保育園に入園し、そこから転園するという形だと、上の子ルールのように優先度が高くなるルールも設けられているため、このような認可外保育園ロンダリング等も、現実的な方法として検討する必要があります。

 

というレベルの話をしています。 

 

これは嘘のようですが、本当です。凄まじい状況です。自治体の対応が追い付いていない、というか追い付けないのです。

何故なら、認可保育園が足りない→新設する→少し余裕が出る(という噂が流れる)→子連れが引っ越してくる→初めに戻る

というループを繰り返しているのです。需給バランスが取れるどころか、供給が需要を呼ぶという、恐ろしい循環で、自治体単体レベルではもはやどうにもならない問題です。

 

もちろん、認可保育園は同じ市内や区内で申し込みが出来るので、どこにも入れない、ということではありません。

しかし、バス数十分、電車で数駅行くような距離にある第30希望の認可保育園に、本当に通わせたいのか?ということです。

普段の生活を考えて、毎朝、毎夕の送迎に1時間ずつ移動に時間を割くのが現実的かというと、恐らくほぼ無理だと思います。

とはいえ、時々そういう家族に公園や子育て支援施設で会って話を聞いたりすることもあります。

彼らは無理をし過ぎているので、次の転園のチャンスを待っていますが、想定したキャリアからは大きく外れてしまっており、また、解決するかどうかは100%運ゲーですから、心中穏やかではないでしょう。

 

認可保育園に入れたい場合は、比較的空いてそうな地域をリサーチしたいところですが、流動的な要素と、信頼性の高い情報源の見分けが必要なため難しいです。

ある程度は不確定な状況で、ギャンブル要素を孕んだまま引越し、保活することになります。

 

認可外保育園をはじめから狙うという作戦もあります。うちはこちらを採用しています。

認可外保育園は、とにかく早い者勝ちで、金で枠を押さえるというシステムであることが多いです。

ちなみに、うちは、1人目の妊娠中期頃に、産まれた子どもが1歳になる4月に入園するよう申し込みをしました。

つまり、今から1年以上先の入園の申し込みを当時行ったのです。

2人目は同じ認可外保育園に、産婦人科で妊娠を確認したその週末に申し込みに行きました。

有名ホテルの結婚式会場と、ほぼ同じです。

そういうレベルなんです。信じられますか?しかし現実です。

 

ほとんどの人が、産まれてから保活を始めたと、私の近所では話を聞きます。そこで、相談されることもしばしばあります。

しかし、申し訳ないのですが、正直既に詰んでいるケースも多いです。

結局、少し遠い認可保育園に決まったりすることもありますが、復職を諦める人もいます。

 

本来、各家庭の収入、ライフプランに合わせて、それを実現するための保活をするのが真っ当な状態だとは思います。

しかし保活に合わせて収入減、ライフプランの変更を余儀なくされることも少なくない時代なのです。

もちろん、認可外保育園は料金もそれぞれで、近所には高い園しかないということもあるので注意が必要です。

 

保活で人生狂わされないようにするためには、子どもが産まれてから保活では手遅れになる可能性があることを心に留めておいて欲しいです。

 

仕事の調整

子どもが産まれて、休業する場合も、しない場合でも、職場に混乱を与えないようにするため、業務は整理しておく必要があります。

休業する場合は当然引き継がねばなりません。

しない場合でも、急な子ども対応や、働けなくなるケースは男性にも起こりえます。

単純に長時間働くのは、家中の人間が高負荷になるので辛いです。

休まない男性でも、定時勤務が可能なくらいには調整を目指し、バッファを多く持つことをオススメします。

 

 

家事スキル習得

育児スキルは実際に子どもが居ないと練習にならないことが多いので、この時点では優先度は高くないと思っています。

一方、家事スキルは、子どもが産まれてからもそのまま役に立ちますし、練習も十分出来る環境が整っています。

 

どうせ、子どもが産まれてからは、育児に追われることになります。

育児に追われていれば、育児スキルは最優先事項になるので、自然と身に付きます(身に付けざるを得ない)

この時、家事スキルが無いと、両方が一度に降りかかって破綻します。元々のスキルにもよりますが、多く男性はここで破綻します。

 

最低限の家事は、「何も考えずにできる」くらい日常に刷り込んでください。

育児ハイになると、育児の疲れを家事で癒すみたいな、訳わからんことも必要かもしれません。

子どもと24時間向き合うと、心身ともに疲弊します。

何か無心になれるようなリフレッシュがあると良いのですが、それを洗濯物を畳むのような家事の中で行うのです。

外には、おいそれと出かけられませんので、家の中で何かを行うしかないのです。

実際、そういうことを言っている方も居ますし、こちらから言ってみると「あ~わかるわ~」と言われることもあります。

とにかく家事スキルは役に立ちます。

男性は育児休業中の生活をどう過ごすか

男性は育児休業を取ってる間、何したらいいの?

結論

  • やるやらないは別として、やれるスキルは持っているべき。自立せよ。
  • 男性も授乳以外は何でも出来る。向き不向きは個人の問題で性別の問題ではない。
  • モチベーション維持は重要。外に出ると異常に褒められるので出かけよう。

説明

やるやらないは別として、やれるスキルは持っているべき。自立せよ。

各家庭での役割や過ごし方は、取得する育児休業の期間、子どもの人数/年齢、配偶者が働いているか、祖父母は近所に居るか、保育園に通っているか等、様々な環境に依って全く異なる生活になります。

そこは女性と同じです。

 

この中だと、育児休業の期間は、現代において男女で平均取得期間が大きく異なるため、取り上げてみます。

女性は多くの場合、6か月や1年など、中長期であるパターンが多く、産後、最低でも2カ月は休んでいるはずです。

対して、男性の場合、休んだ人の平均取得期間は2週間程度らしいので、女性には無い、短期パターンであることが多いです。

 

短期育児休業の場合、やるべきことは、とにかくスキルを身に付けることです。

ゴールは1人で子どもを育てられる状態になることです。

メンタル面を除いて、死別しても生活が続けられることを考えてください。縁起でも無いことですが、冗談ではないです。

死ななかったとしても、産後に女性が、めちゃめちゃ体調が悪くなるケースは結構現実的な確率で起こります。

1人で子どもを育てられないということは、1人で生活出来ないということです。

つまり自立していないということです。

たとえ1人暮らし経験が長く、それまでは自立していたとしても、子どもが産まれたことで自立していない状態に一度戻っていると言うのが正しく伝わる気がします。

誰しも、1度自立したのに戻るとは考えにくいと思いますが、客観的に見れば自立していない人です。

 

ここで誤解して欲しくないのは、スキルが必要なだけであって、実際に長期間1人で生活を回せと言っているわけではないということです。

スキルがあるけどやらない状態と、スキルが無いからやれない状態では、どちらも何もしていませんが価値が違います。

例えばオムツを変えられるスキルを持っていると、オムツを変えるという育児の価値を正しく評価出来ます。

やってないこと、やれないことを人間は正しく評価出来ません。

これは、家事育児が出来ない人は、一般的に女性が家で行っていることを、正しく評価出来ていない可能性があるということです。

もちろん、出来ない分、感謝しているという人は居るでしょうが、残念ながら、それが正しい評価とは限らないのです。

 

きっと、感謝されている側は思っているはずです。

本当はオムツ変えじゃなくて、料理をもっと評価して欲しい、などと。

ただ感謝すれば良いわけではないのです。実施している方は、前提として正しく評価されたいのです。

初めのうちは感謝されるだけで嬉しいのですが、人間、感謝され慣れてくると、本当に感謝されているのか、感謝の強弱が気になり始めます。

より正しく評価するプロセスを踏んで、その結果として感謝されていると感じれば、より嬉しいのです。

 

1人暮らしを始めた時、家族の人の支えがどんなに大きかったか実感した人も多いでしょう。

それは自分でやってみたからです。育児も同じなのです。

1人暮らしを経験せずに同棲、結婚した人は本当に気を付けてください。

 

 

 

男性も授乳以外は何でも出来る。向き不向きは個人の問題で性別の問題ではない。

身に付けるべき項目は、全ての家事育児、

身についたかどうかの判断基準は、1人でその作業を完遂出来るかです。

 

オムツ、着替え、食事/ミルク、遊ぶ、あやす、寝かす等の定常系の育児スキルは当然として、ゲロ処理、漏れた服処理等のアクシデント系も必須です。

良く、ママじゃないと泣き止まないね、みたいなことを言う人が居ますが、事実としてそうだとしても、本質的にそうだとは一言も言っていません。

子どもとの信頼関係とスキルの問題です。ママの方がたくさん練習してるだけです。向き不向きは関係ないです。

 

料理、片付け、部屋掃除、洗濯、風呂掃除、ゴミ分別/出し、備蓄管理等、直接育児をするわけではないが、育児と並行して行うべき家事スキルも必須です。 

 

まず出来ることから始めよう、という話があります。

これ自体を否定はしません。むしろ、肯定的です。

人間、成功体験は次のモチベーションに繋がりますし、初めからハードルを上げ過ぎないのは重要です。

ただし、十分のラインを引き下げろとは言っていません。

目標は高くないと意味がありません。目指すのは全項目制覇です。

ただし、作業を完遂出来るレベル、はそれほど高く設定する必要はありません。

高級店のような料理を作れる必要はありません、家庭料理、もっと言えば、大人・子どもがそれなりにお腹を満たせれば十分です。

家族が納得できるレベルを探ってください。

 

また、スキルの無い人間はサブメンバーとしても機能しません。

育児の場合、大きな失敗は取り返しがつきませんし、子どもを愛しているので、信頼できない人には任せられないし、特に女性は自分が子育てに責任を負っている意識が極めて強いので、心理ハードルが高いです。

結局、自分と同じかそれ以上くらいに育児スキルがあると認識してもらわないと、そもそも育児をさせてもらうことすら出来ない可能性すらあります。

これは、女性側も勇気をもって任せる必要があるとも言われるかもしれませんが、女性の責任感を引き下げるより男性が育児スキルを身に付ける方が、生産的だし、簡単だし、より良い方法であると思います。

厳しいようですが、言い訳すると信頼を更に失うので、黙って腹くくって家事育児スキルを身に付けてください。

 

 

モチベーション維持は重要。外に出ると異常に褒められるので出かけよう。

これは男性の方が育児について有利な数少ない要素ですが、男性が1人で子どもを連れて歩いていると、死ぬほど褒められます。

 

例えば、平日の昼間に乳児の子連れで買い物に行きます。

生活をしているので極めて当たり前の活動です。

しかし、スーパーで見知らぬ人に話しかけられます。

大体はお年寄りの方、特におばあ様達ですが、子どもの可愛さもあって、あんた偉いなと言われます。

きっと、自分の過去の苦労が思い出されるのでしょう。

道を歩いていて、知らない人に話しかけられること自体、私にとっては無かったことですし、ましてやベタ褒めされるようなこともありませんでした。

 

平日昼間に開催される、自治体などが主催の子育て支援系のイベントに行ったり、子育て支援施設のような所で子どもを遊ばせてみたりします。

そこには数名のママとその子供達、女性スタッフが居ます。そう、大人は全員女性です。

すると、男性は珍しがられると同時に、育休ですと言うだけで、褒められます。

更に私の場合は長期間の育休、1人で子どもを見ているということもあり大絶賛の嵐、お前のような奴は見たことない、空想上の生き物だと思った、等と、今まで言われたことのないような言葉を浴びれます。

 

平日昼間のファミレスで、店員さんがドリンクバーを汲んで持ってきてくれようとしたこともありました。

 

上記は私の実体験のごく一部です。

私はこれまで、スポーツや受験、受験など、それなりには頑張ったかと思いますが、それなりに苦労し、それなりに褒められたという感じでした。

一方、育児休業については、取ると決めた以上は仕事は休んでいて何もしていませんし、家でやっていることは世のママ達と大きく変わらない、むしろ楽をしているくらいにも関わらず、死ぬほど褒められるのです。

今までの人生は何だったのかと感じる程、コスパ良く評価されるのです。これは衝撃的でした。

インドに人生を探しに行くより、抜本的に価値観変わると思います。

 

とはいえ、人間、褒められるとモチベーションが上がります。承認欲求も満たされます。

そのためには、家族も重要ですが、他人に褒められることも効果が絶大です。

家で持て余している夫が居る方は、夫を外へ連れ出し、1人で出かけてさせるのも良いと思います。

男性は育児休業を取るべきか

男性は育児休業をどう取るべきか

結論

以下を考慮して検討することで最適解を導くべき

  • 取得の有無、最適な取得期間は人それぞれ
  • 取得する気が無くても、まず育児休業取得に関するルールを知るべき
  • 調べるべきルールは「育児給付金額」「手取り優遇」「夫婦同時取得」「給付金延長制度」
  • 判断要素1つ目は金銭面「直近のキャッシュフロー」「本人の生涯年収」「配偶者の生涯年収」
  • 判断要素2つ目は金銭面以外のメリット

説明

取得の有無、最適な取得期間は人それぞれ

世の中では男性の育児休業取得支援が流行っていますが、以下の記事にある通り、

個人によって環境は大きく異なり、取るべき選択肢も当然異なります。 

papa-consulting.hatenablog.com

 

ただ、私が思うに、「自分が取るべき選択肢を、正しく検討していない」ケースが、かなり多く見られます。

 

取得する気が無くても、まず育児休業取得に関するルールを知るべき

私は自分が育児休業を取得している話をすると、ほぼ100%「良い会社だね」「福利厚生が良いんだね」等とコメントをいただきます。

 

しかし、私は会社の制度を利用しているのではなく、全国の会社員共通の制度を利用しているだけなのです。

 

育児休業取得に関するルールを説明すると、子どもが居る方だったとしても「知らなかった」と反応されます。

つまり、「何も考えずに結論を出していた」ことを白状しているわけです。

個人的な感想ですが、育児休業取得という、人生における大きな判断を、その程度の扱いにしてしまっているとしたら、人生設計が危険だと思いますので、最低限の調査、勉強、検討をやり直した方が良いと思います。

 

ゲームに勝つにはルールを知る、いえ、熟知することが必須です。

ルールを知らないことは、この人生ゲームにおいて、圧倒的に不利です。

 

ちなみに、男性はもちろん、女性相手でも似たような反応をされます。

女性は子どもが居る場合、本人も育児休業を取得しているので、それなりにルールを知っていますが、逆に「男性が育児休業を取る」という視点で考えたことが無いので、「夫婦で同時には取れない」等の勘違いをしているケースも少なくないです。

読み手の貴方が女性なら、是非「夫は育児休業取得すべきか」という視点で読んでいただきたいです。

 

調べるべきルールは「育児給付金額」「手取り優遇」「夫婦同時取得」「給付金延長制度」

正しい詳細情報は、政府のページや他の素晴らしいブログがありますので、検索してもらえれば出てきます。

ここでは、詳細な制度説明はせず、検討に必要な情報だけを抜粋して紹介します。

 

なぜなら、この記事をきっかけに、自分の選択の大筋を考えてもらうことで、 「知るきっかけを与える」ことを目的とするからです。

ルールを知らない人は「知るきっかけが無かった」だけです。

インターネットが普及したこの時代、検索すれば大抵のことは分かりますが、「検索しよう」と思うきっかけだけは別ルートで得る必要があります。

この記事がきっかけになれば幸いです。

 

「育児給付金額」

育児休業は基本的に1年間、条件が整えば2年間まで延長可能です。

育児給付金は初めの6か月は「額面月収の66%」、7か月目~2年までは「額面月収の50%」です。

ただし、上限は「額面月収が約45万円」で到達することと、ボーナスや手当系は含まれず、残業代は含まれることに注意してください。

そして、この基準となる月収は休業開始前6か月間の実績になります。

つまり、休み始める前の半年間に残業をしまくると、その後の不労所得が増えるのでコスパが良くなります。

逆に、女性は体調面で余儀なくされる場合が多いと思いますが、休み始める前の半年間(妊娠中)に労働時間を短くすると、その後の不労所得が減ります。

 

「手取り優遇」

育児給付金を受け取る場合、なんと社会保険料等は免除されます。

手取り換算すると、実は初めの6か月は収入を8割ほど維持出来ます。

※ただし高収入で育児給付金の上限に引っかかって収入が激減する場合は別問題 

 

「夫婦同時取得」

夫婦で同時に取得することは出来ます。家に大人が2人居る状態です。

給付金が減ったり、休む期間が減ったりはしません。

大人2人が、それぞれ育児給付金を受け取る権利があり、独立しています。

配偶者が居なかったとしても、育児給付金が増えたりしませんし、居ても減らないということです。

パパママ育休プラスという細かいルールもあります。

通常、育児休業は1回の長い休みにする必要がある(細かく分けて休むことは出来ない)のですが、

2回には分けても良いよ、というルールです。

気になる方は調べるとすぐに出てきますのでお勧めします。

 

「給付金延長制度」

給付金を受け取れる期間は、通常最大1年ですが、認可保育園に入れなかった場合、最大もう1年(合計2年)まで延長出来ます。

これは皆さんの住んでいる地域の認可保育園が飽和していて、待機児童が出ていることが必要ですが、認可保育園に落ちながら、認可外保育園やベビーシッターを使ったとしても、育児給付金は支給されます。

元々の所得が多い(=給付金が多い人)は、安く預かってくれる認可外保育園やベビーシッターが見つかれば、育児給付金を使って子どもを預けることが可能です。

 

これは不思議な現象ですが、以下のような解釈を私はしています。

給付金をくれるのは政府・自治体です。

また、政府・自治体は認可保育園を運営しています。

政府・自治体の育児家庭へのサポートは「認可保育園で安く子どもを預かって親に働いてもらう」が基本です。

ただし、生まれた直後から預かるのではなく、最大1年は預けるまでに自宅保育が必要なケースが多いので、その間は不労所得を渡したり、保険料を免除して金銭的にサポートしてくれます。

そのため「認可保育園に申し込んだけど落ちた」場合、この親は非常に可哀想な状況なので、金銭のサポートを延長してくれるということです。

認可外保育園は、一部、自治体の補助金対象となっていたりしますが、自治体としては通っているカウントにならない=自宅保育しているのと同じ扱いなんですね。

 

判断要素の1つ目は金銭面「直近のキャッシュフロー」「本人の生涯年収」「配偶者の生涯年収」

ルールを把握したら、まず金銭面を考えます。

何故なら、金銭面で破綻する場合はそもそも生活が破綻する=育休が取れないからです。

ここでは、「育休取得した」vs「育休取得しない」で、金銭面のみ比較します。

子育てがしたい!みたいな気持ちの話は後でします。

 

「直近のキャッシュフロー

まず、貯金の無い人。これは要注意です。

子どもが産まれる際、出産費用の立替、引越し等の単発の出費が一気に重なります。

更に、女性は体調が悪くなってしまえば働けない等の収入減も起こります。

育児給付金は2カ月に1度、2か月分がまとめて振り込まれますが、単発の出費+その後の期間の生活で貯金が尽きてしまう場合はヤバいです。

申し訳ないですが、そうなるとしたらライフプランを良くない可能性があるので、FPにでも相談しましょう。

 

「本人の生涯年収」

育児休業取得による金銭面の問題は、実は休職期間の収入減ではありません。

実は、日本は世界でも本当にトップレベルの育児休業給付金制度が整っています。

日本の育休問題は「休職期間に、お金はめっちゃもらえるのに全然休まない」ことです。

 

取得しない理由として収入減が良く挙げられますが、取得期間が短ければ収入は減らないし、そもそも、手取り換算なら収入を維持できる、しかも不労所得だから自分の時間が空くわけですから、休職期間中の金銭事情だけ見れば、取らない理由はありません。

 

さて、本題はここからです。

休職期間の収入減ではなく、何が問題なのか、それは生涯年収です。

これは日本における極めて深刻な問題で、根深いです。

残念ながら、多くの場合、育休を取ると出世に影響が出ます。

これは、1年休んだから、1年分出世が遅れるのではなく、出世ルートから外れる、昇進の速度が下がることを指しています。

 

もし、毎年10万円ずつ年収が増えるとしたら、1年間休むことで、昇給を1回スキップしますので、休まなかったことに比べて翌年から毎年10万円ずつ年収が減ります。

復職後30年働くとすると、10万円×30年=300万円分の生涯年収が減ることになります。

※本当は税金のかかり方が変わりますが単純モデル計算です

これはこれで大きいように見えるかもしれませんが、これなら真っ当です。

働いてないのですから、当然の収入減です。

 

しかし、実際には上記よりも更に生涯年収は減ります。

何故なら、出世ルートから外れたら、そもそも数千万単位で生涯年収に影響が出る場合もあるでしょう。

昇進の速度が落ちれば、1年しか休んでいないのに、復職後10年して、休まなければ無かったはずの、同期入社同僚と年収が100万円単位で差がついたりするかもしれません。

このようにして、生涯年収が減るのです。

これは住宅ローンを組んだり、FP相談したことがある方は分かると思いますが、収入が徐々に増えるグラフの序盤で、線の傾きが小さくなると、後半への影響が凄まじいということです。

生涯年収が減るということは、住宅購入費用、子ども使える教育費、生活レベルに等に大きな影響が出ます。

そして、転職しない以上、この条件は変わりません。

育児休業を考えるなら、本当は、働く会社から考えなければならないのです。

女性の場合、就職活動時点で検討要素に入れていることも多いかと思いますが、男性は何も考えずに入社しているケースが多いと思います。

 

「配偶者の生涯年収」

 もう1つの生涯年収があります。それは配偶者の生涯年収です。

ここでは女性が産休育休復職することを前提として、男性が育児休業を取った場合を考えます。

男性が育児休業を取るということは、女性の復職に+の影響があります。

育児スキルが両者にあれば、女性はより自由に働くことが出来る可能性が高まります。

例えば、男性が育児休業を取ることで、女性は時短勤務ではなく、フルタイムの正社員として働けるかもしれないのです。

もしかしたら、退職して専業主婦になっていたかもしれない女性が、正社員として働き続けるのかもしれないのです。

すると、男性の生涯年収は減る一方、女性の生涯年収は増えます。

これが合計でどのくらい増えるのか、減るのか、で男性が育児休業を取るかどうかを検討すべきです。

 

男性が育児休業を取らずとも、しっかり働いている役員のような女性もいるじゃないか、そう思うかもしれません。 

世の中には、家事育児を一手に引き受けつつ、死にそうになスケジュールのフルタイムで働く女性が居ます。

そう、女性活躍が今のように話題になる前から、最前線で働いていた女性達です。

はっきり言って、この人たちはプロスポーツ選手みたいなもので、才能と運に恵まれ、努力も怠らなかった、大成功した人達です。常人には真似出来ません。

女性に有能な人が多い、なんて言う人達も居ますが、当たり前です。

何故なら、有能な人材だけが生き残り、他は職場から淘汰されたからです。生存者バイアスです。

つまり、今の子育て世代が参考にする人達ではないのです。

だから我々は、新たな働き方/休み方を作り出すくらいの考え方でないといけません。

 

判断要素2つ目は金銭面以外のメリット

ここから、本人が子どもと過ごす時間を増やしたい、等のような要素、

金銭面以外のメリットを考えます。

 

これは本当に色んなものが得られます。少なくとも、実際に私はそう感じました。

もちろん、世間で言われる、休んでいるだけで役立たずな男性ではマイナスになります。

そうなるくらいなら、家族からの評価が下がるのでやめた方が良いでしょう。

 

それなりにちゃんとやれば、家事、育児スキルは当然身に付きます。

子どもへの関心は増え、より一層子どもを愛せるようになって気がします。

私は親族に恵まれたので、妻だけでなく、義父・義母からの評価が上がりました。

私の職場は最先端の空気感なので、育児休業取得に前向きな評価ですし、育児休業を取ったからこその仕事も見えてきています。

どこかで、詳しく記事にしようと思いますが、様々なことが得られる可能性があります。

 

とはいえ、なんと言っても一番のメリットは、

「とにかく子どもがカワイイ」ことに尽きます。

替えの利かない幸福を得ることが出来ます。これは一生のうちどこかで取り戻すことは出来ません。

 

 

結論

最後に結論を再掲します。

以下を考慮して検討することで最適解を導くべき

  • 取得の有無、最適な取得期間は人それぞれ
  • 取得する気が無くても、まず育児休業取得に関するルールを知るべき
  • 調べるべきルールは「育児給付金額」「手取り優遇」「夫婦同時取得」「給付金延長制度」
  • 判断要素1つ目は金銭面「直近のキャッシュフロー」「本人の生涯年収」「配偶者の生涯年収」
  • 判断要素2つ目は金銭面以外のメリット

はじめに

挨拶

初めまして。パパコンサルです。

本ブログでは、「男性の育児」に焦点を当て、様々な分野に話を広げます。

 

私が父として過ごす日々の生活の中で気づいたことや、皆さんに知っておいて欲しいこと等、役に立ちそうな情報を発信することで、1人でも多く、わずかでも、助けになれるを目的とします。

時々、どうでも良いことも書いて、誰かと気持ちを共有出来る場になったら、もっと嬉しいです。

 

巷では「イクメン」というワードが大流行りしていますが、イクメンが指しているものは幅広過ぎて、例えば、2週間育休のライト層から、2年育休のヘビー層まで1つにまとめられています。

誤解を与えがちですし、レッテルでまとめられるのも何かちょっとイヤですし、男性の中でも、ライト層・ヘビー層は、お互いに一緒にされたら困ると思っています。

ライト層はヘビー層と同じように育児が出来ると思われてハードルを上げられたら困るし、ヘビー層はライト層と同じように軽く見られてるとイヤです。

皆、自分のことをより正しく理解して欲しいだけなのです。

誰も悪くないのですが、言葉・レッテルにはそういう効果があります。

言葉・レッテルもカテゴライズでは役に立ちますが、それ以上のことを期待してはいけません。正しく使いたいものです。

 

前提条件

さて、他人の育児話を参考にする場合、生活環境、仕事等の環境要因は無視出来ません。

育児は本当に、個人によってシチュエーションが異なり、共通のソリューションは1つも無いと言っても過言ではありません。

環境に差があることを理解し、読み手側で情報の取捨選択を行っていただけると助かります。

 

私の情報

  • 男性
  • 30歳前後
  • 理系大学院卒
  • 20代後半で結婚
  • 一人っ子
  • 父他界、母健在
  • 2018年から2年間の育児休業取得

職場環境

配偶者情報

  • 女性
  • 筆者と同年代
  • 筆者とは別の外資系企業 会社員

子ども情報

  • 兄、妹の年子
  • 兄のみ早生まれ
  • 認可外保育園通い

家庭環境

  • 祖父母は居るが車で1~2時間
  • 横浜市在住
  • 保育園激戦区
  • 3LDKマンション4人暮らし

※上記は2021年上半期時点